映画 『少年の君』
子どものころから映画が好きで今でも続く趣味(読書・歴史・映画演劇…偏っていますね💦)の一つです。
今回お店のブログにまで書いたのは久々に感動したのと書かずにはおれない気持ちが勝った事、そしてテーマが現在日本で子どもたちが抱える問題でもある点です。
見に行った映画は中国の映画『少年の君』です。
社会問題映画・サスペンス映画そして青春恋愛映画でもあると言える(贅沢な)作品です。
~話の導入~
中国の進学校で大学入学共通テスト『高考(ガオカオ・日本の大学共通テストみたいなものですが、この成績一発で入学できる大学が決まります)』を受けるクラスに通う陳念(チェン・ニェン)のクラスから始まります。
そのクラスメイトが学校で投身自殺をします。投身自殺をした彼女はクラスでいじめを受けていました。さらに投身自殺した姿を学校中の生徒たちはスマホで撮影し、その姿に居た堪れなくなった陳念(チェン・ニェン)は投身自殺した彼女に上着を掛けるのでした。
その後クラスのいじめの標的は陳念(チェン・ニェン)に移ってきます。
普段何も周りに関心を示さなかった陳念(チェン・ニェン)。
いじめが始まった辛さからか帰宅途中何人かのチンピラ(チンピラ?ストリートチルドレン?)に暴力を振るわれる少年(彼はストリートチルドレン)を見て思わず警察に通報してしまいます。
そして暴力を振るわれた少年・小北(シャオベイ)と縁ができ、そこから話が始まっていきます。
この映画のテーマは「いじめ」です。
正面から社会問題を扱っていて、そこに「学歴偏重社会」「格差」「ネグレクト」という日本でも問題になっているテーマが織り込まれています。
制作は香港・中国の合作となりますが、撮影場所は内陸部の大都市重慶です。
驚きは「こういう中国の恥部を映画にして公開を中国政府はよく容認したな!」という点です。
何年か前『万引き家族』がカンヌ映画祭で賞を取った時、一部の声で「日本の恥をさらすな」という声が出て作品の内容がどうだったかにも関わらず非難されたというのは記憶に新しいです。自国の恥部は公開したくないのは当たり前ですが、中国がよくぞこのテーマを映画にして公開を許してくれたと思います。
そして、上記のテーマは中国だけではなく、全世界共通の問題でSDGsの解決事項[1,貧困をなくそう 3,すべての人に健康と福祉を 4,質の高い教育をみんなに 10,人や国の不平等をなくす]に関わってくる映画と思います。
そして映画の最後には中国の現在のいじめ対策も紹介されていました。(この映像があったから公開が許可されたのでしょう)
映画のラストシーン、数年後の陳念(チェン・ニェン)が教師となりいじめにあっている(であろう)生徒と一緒に歩く姿があります。彼女は唯々寄り添っているだけで何も話しません。しかし少女の安心感が伝わってくる映像だと感じました。
「いじめ」の解決方法はいろいろあるでしょう。
何よりもいじめられている子には寄り添い、いじめる子にも何か理由があっての事…いじめを止めさせ、静かに話ができる環境が必要だと感じました。
本当は素敵なポスターを貼り付けたいのですが、著作権の問題もあるので下記にHPのリンク先を張っておきました。
うまくつながらない場合は『少年の君』のHP、YouTubeで予告編などご覧ください。
https://klockworx-asia.com/betterdays/
因みに主人公2人の紹介です。
陳念(チェン・ニェン):周冬雨(ジョウ・ドンユ)1992年生まれ。張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『サンザシの樹の下で』(2010年)でデビュー。可憐なヒロインを演じて人気が沸騰し、中国では「13億人の妹」と呼ばれた。現在は人気女優の一人。
小北(シャオベイ):易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)2000年生まれ。中国で初めて世界的に成功した3人組の国産ボーイズアイドル・グループTFBOYS(日本でいう所のジャニーズのグループ)のメンバー 他出演作『長安二十四時』李必役
多分もうすぐ上映も終わるでしょうが、お時間のある方は是非ご覧ください。
因みに埼玉県では上映館はありません。
川口からだと新宿か渋谷が近いと思います。